株式会社ファインエステート

相続人(共有者)が多い不動産の売却方法!【実務】 | 相続不動産・空家売却のご相談と実績

相続人(共有者)が多い不動産売却【実務】

1.共有者が6人!相続不動産売却の取引実績とその手順

今回は、相続人が6人いる相続で起きた問題を不動産売却によって解決した事例をお伝えできればと思います。
親戚であっても、相続トラブルにより話したくない相手となってしまった場合、共有名義になっていると不動産を売却することが困難です。
相続人間でのトラブルや意見の食い違いによって取引が難しいと思われた不動産も弊社で一つ一つ取り組んだところ無事に売却することができました。

2.お客様が抱えている相続問題

空家のままになっていて売却したい不動産があるのは、横浜市中区。
相続人が6名。(横浜市3名。神奈川県内2名。県外1名の6名)
相続人の息子・娘様の意見もあり根深い問題となっていました。
被相続人を最後まで介護・面倒を見ていた方が「法定相続分では納得がいかない」ということで、不動産を売却することも、その他の相続財産についても話し合いに参加しなくなってしまい、空家のまま5年以上放置していました。
身内間では相当深刻な問題だとお伺いしていますが、このブログでは相続問題については触れません。

3.相続問題解決と不動産売却にむけて動き出した!

不動産売却に向けて相続問題に動き始めた

相続人6名の内1人の息子様が、
「昔は親戚中で集まっていた実家に、集まることがなくなってしまった」
ことをお子様が産まれたことをきっかけに思い出されたようで、お問い合わせをいただきました。
不動産売却にむけて、息子様と一度話し合いをさせていただき、以下の要点をお伝えしました。

①全員が納得して相続登記をしないといけない
相続登記をしていないと、所有者がいないようなもの。不動産を売却することができません。
不動産売買と同時に行うことも可能ではありますが、相続人の特定について等のこともあり、法務局が相続登記を受け付けない可能性もあります。不動産売買と同時に行おうとせず、事前に相続登記を済ませておくことは取引のトラブルを避けるためには重要です。

②持分について等、遺産分割協議書を作成しなくてはならない
相続登記をする際、遺産分割協議を行い、相続するものやその持分について話し合わなければなりません。「不動産以外にも相続財産がある」場合の配分や、「不動産は誰か一人に相続してもらう」等を話し合っていただき相続します。

③売却価格や条件について全員の同意を得なければならない
不動産を相続する方が複数の場合は、その全員の同意が必要です。

今回は相続人全員が問題を抱えている様子だったため、不動産売却が終了すれば、これから先は無理に話そうとしなくて済むことをお伝えしました。

4.同意をいただくため、一人ずつ説明をしていく

1人・1家庭ずつ丁寧に説明する

私たち株式会社ファインエステートでは、一人ずつ丁寧に説明をさせていただき、相続人全員の同意を取得していきます。
まず、ご相談をいただいた相続人の息子様から、相続人の一人であるお父様を紹介していただき、「不動産を売却すること、売却する金額、この金額で売却した場合の配分、売却にかかる諸費用」についてご説明し、不動産売却をするための依頼(専任媒介契約)をいただきました。
同時に、相続人の中で「相手側」になってしまう方を教えていただいたり、その方の連絡先等を教えていただきます。
その後、弊社ではお手紙・電話・訪問等から最適だと思われるの手段を選んで連絡を取っていきます。
お話の中では、「相続人の○○に売却したお金が配分されるなら絶対に売らない!」という話がでてくることもありますが、なんとか少しずつ話をさせてもらい、最終的に納得して不動産売却をしてもらうため依頼をいただきます。
相続人間では話し合いができないケースがたくさんあると思いますが、私たちが皆さんの間に入り話し合いを続けていきます。
ほとんどの方は、不動産を売却することには賛成意見でも、なかなか全員で集まって話をしたり、書類を記入したりしていくことが難しかったりします。
その時に私たちが相続人の方たち全員に会いに行き、説明や書類のやり取りをさせていただいています。
売却金額や条件によっても、賛成・反対があるため、私たちは依頼を受ける場合、
「この条件、この金額なら購入するお客様がいる内容」で話をします
依頼をいただいた後、その条件や金額よりも良い購入者が見つかった場合は、そちらのお客様に購入していただくスタンスで仕事をしています。
不動産を高値で売却したいのは当然ですので、そのように仕事をしますが、全員の売却に関する意思決定ができた時に「すぐ取引ができる購入者」がいないと、相続人の内、誰かが「やっぱりやめたい」「相続人の方も亡くなってしまう」等の問題が起きることが今まで何度もあり、その度頓挫することがあったためこのようにしています。

たまに起きる問題としては、私たちが話した条件より、良い条件にて売却活動を行っていて、いざ購入申込をいただいたときになぜか「良い条件の取引になるのにキャンセル」となることです。
何年もそのままにしていたからこそ、鉄が冷めてしまうのも早く、気持ちの問題が先に立ってしまうこともあり難しい問題なのだと思います。
不動産売却と相続問題が絡み合うと、すごく難しいものになるのだと実感するできごとでした。
この場合、また、最初から一人ずつ話していきますので安心してご依頼ください。

5.相続問題があっても不動産を売却するためには

相続問題を不動産売却で解決

基本的に、魔法のように相続問題が勝手に解決して売却できる不動産はありません。
お互いの話を理解して、常に中立な立場で解決方法を提案し、説明ができる不動産会社に依頼するほか方法はないと思います。
相続人の中で誰かが先陣を切って話の場を作っていくことも大事かもしれませんが、それを行ったのちに身動きが出来なくなっているケースのご相談が多くあります。
この人なら上手に話をしていってくれるだろうという会社や担当者に巡り合わなければ、相続問題が激化した不動産を売却する方法はないのかもしれません。

6.共有者全員から売却の同意を取得!

必要なタイミングで、必要な説明を全員と繰り返し行うことで、無事に売却の同意を全員からいただくことができました。
その後は、

・売買契約書の記名・押印
皆さんが同時に集まれない場合は、私たちが書類を持ち回って記名・押印していただくことが多いです。

・相続登記
司法書士の先生の事前立会いなども必要な場合に行います。

・測量
買主様に正確な土地の広さや形を提示できるようします。
直近で測量をしている場合は、その測量図を使用させていただきます。
売買契約の前に行うこともあります。

等の手続きを、皆さんに連絡をいれながら進めていきます。
「私には連絡がなかった」ということがないように、注意しながら報告をしていきます。

7.税金にご注意ください

手残りが約760万円も増える相続不動産の売却相談

全ての準備が整ったら、決済(お引渡し)をして不動産売却は終了になります。
不動産を売却すると金額にもよりますが「譲渡所得税」等が課税される可能性があり、様々な税金控除の特例を使用できるかを、今までの話し合いの中でもアドバイスをしていきますが、払うべき税金が出た場合や特例使用に関しては確定申告をしていただくことになります。
様々な要素があって、不動産以外の部分に関しても確定申告を行いたい場合や、今後の相続問題や資産管理にむけてアドバイスが必要な場合には提携税理士事務所(あすは税理士法人)のご紹介をさせていただきます。

8.今回の不動産売却が上手くいったポイント

不動産売却が上手くいったポイント

1.相続問題を終わりにしたい方が動き始めたこと

誰かが動き出さない限り、勝手に問題が終わることはありません。
取引後に仲良くなることもないかもしれませんが、頭の中に常にある問題が解決します

2.皆さんが話を聞いてくれるまで、説明に足を運んだこと

私たち不動産会社は、常に中立な立場で提案をしなければなりません。
必ず相手がいることなので、話が進んだり、後戻りした場合でも、報告や連絡を細かくすることが大事です。

3.相続から不動産売却までの一連の流れを止めずに進められたこと

一番最初の段階から、これから必要になることを伝えられた点。
そのことに関して、しっかり動いていただけた点。
持分に対して、均等な負担や利益で分配ができた点。
話し合いの結果、売却にかかる諸経費等は一番多い持分の方が多めに費用負担をしてくれるケースもありますが、あまり期待せず、利益や費用は均等に分配しましょう。

さいごに

今まで、多くの方の相続問題についての対応や、不動産売却を経験してきました。
一人一人に合った説明や提案で相続不動産・空家をスムーズに売却できるようにお手伝いさせていただきます。
私たちは、今まで使用されてこずに放置されていた場所が、新しい不動産に変わることを楽しみに仕事をしています。
相続不動産・空家をどうするべきか考えている方は、ぜひ株式会社ファインエステートへご相談ください。士業の先生方と連携してお客様の相続財産を有効に売却・活用するために必要な対応方法をご説明させていただきます。