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空家を相続したらどうすれば良い? | 複数相続人のいる場合の相続も合わせて解決!

相続した空家を放置したら危険

相続人が実家から結婚等を機に独立して別の場所で暮らしているとき、両親からの相続で困る問題といえば、両親のどちらもが亡くなってしまった場合の空き家問題です。
また最近では、介護施設等に入所して「相続はまだしていないけれど、実家が空家になっている」という方が増えてきております。
なんとなく「空き家のまま放置しておくのはよくないな」ということはわかっても、実際にはどうしたらいいか自分では判断がつかないものです。
ここでは、空家を相続したときの対応についてご説明します。

空家のまま放置するメリット・デメリット

空家のまま放置するメリット・デメリット

空家を相続したときの最も簡単な方法の一つとして、その家を空家のままにしておくということが考えられますが、これにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

〇空家のまま放置するメリット

1.思い出の場所をそのまま残しておける。
2.年に数回でも実家(地元)に帰ることがある場合の宿泊先・家族の集合場所としての利用できる。
ことは、メリットと言えるのではないでしょうか。

×空家のまま放置するデメリット

1.家の劣化が進みやすくなってしまう。誰も住んでいない建物は換気や水回りなどの使用をしないので、劣化が進んでしまう。
2.不法侵入を誘発する可能性も有り、結果的に犯罪にまきこまれることや、火災発生も危惧される。
3.手入れ、管理を怠った結果、ご近所に迷惑をかけてしまうかもしれません。
4.事柄によっては、法的な紛争につながることさえあります。
5.固定資産税やライフライン等の固定費用がかかる。
ことが、代表的なデメリットとして挙げられます。

空き家の相続時に決めておくこと

空き家の相続時に決めておくこと

空家が相続不動産としてあるとき、私たちはどのようなことを決めておくと良いでしょうか。

【空家の利用方法をどうするか】

まず決めなければならないのは空家の利用方法です。
空家をそのまま置いておく、売却する、賃貸にするなど、まずはどのように使用をするのかということを決めておきましょう。

【金銭的な振分けをどうするか】

空家の利用方法が決まったら、次に金銭的な割振りをどうするかを考えておく必要があります。
売却した場合には、相続人間で売却代金をどうやって分けるか、賃貸や民泊をする場合には収益をどのように割り振り、固定資産税や維持管理のための費用はどのようにして費用負担するか等を決めておくとトラブルの防止につながります。
相続人が自分一人の場合は、当然関係ありません。

【名義をどうするか】

空家の名義をどのようにするかを決めておく必要があります。
所有者の名義を誰に変更するのかといったことや、固定資産税の支払い名義を誰で行うのか、といったことを決めておく必要があります。

複数の相続人がいる場合の不動産相続

複数の相続人がいる場合

相続時に複数の相続人が存在するということは、ごく普通にあります。兄弟がいる。孫がいる。父・母・祖父・祖母がご健在。当たり前のようにみなさんで相続しなくてはいけません。
相続人が複数いらっしゃる相続財産が不動産の場合、お金のように簡単には分配できません。
みなさん当然ご家族で揉めたくはありませんよね。
ではこの場合、どのような方法で不動産を相続すればいいのか。
代表的な相続には「遺言」と「法定相続」があります。
まずは、相続できる人=相続人とは誰なのかを知っておく必要があります。

法定相続について

相続人の範囲

「法定相続」とは、「法定相続人」による相続のことです。「法定相続人」は民法により定められている相続人のことで、具体的には、配偶者、子をはじめとする血族をいいます。配偶者は被相続人と戸籍上正式に婚姻関係にある者で、常に相続人となる権利を有します。それ以外は血族相続人と呼ばれ、以下のように相続順位が定められています。

第1順位がいない場合、あるいは相続放棄をした場合に第2順位が相続する権利を有します(以下同じ)。

法定相続には、遺産を分割する割合も定められています。これを「法定相続分」と言い、主な配分は以下のようになります。

これら法定相続についてはその名の通り、民法により定められており、相続の基本となります。(国税庁HP参照:相続人の範囲と法定相続分

遺言による相続について

遺言書による相続

被相続人(亡くなった方)が生前遺言書を作成していた場合、遺言書に記された内容を優先して相続できることになっています。つまり、遺言により法定相続人以外の人に遺産を相続することができますし、法定相続分の範囲を変えて相続することもできます。この遺言による相続を「指定相続」と言い、相続配分を「指定相続分」と言います。
ただし、指定相続には制限が設けられていて、例えば、「内縁関係の妻(戸籍上の配偶者ではない)に全ての遺産を相続する」という内容は、その通りにできないようになっています。これは法定相続人の相続する権利を侵害しないための規定で、兄弟姉妹以外の法定相続人には一定の割合は必ず相続できることが保証されています。これを「遺留分」と言います。
相続にはこれら「法定相続」と「遺言による相続(指定相続)」があることを覚えておきましょう。

「遺産分割協議」を行う

遺産分割協議書

遺言書がなく複数の相続人がいる場合は、「遺産分割協議」を行います。
また、遺言書があっても、一部の相続財産についてしか記載されていない場合や、分割方法が明示されていない場合なども、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議には相続人全員が参加し、相続財産の割合、分割方法の取り決めをします。そして協議内容を明確にして後のトラブルを防ぐために、「遺産分割協議書」を作成します。このとき基本となるのが、法定相続の考え方です。
しかし、相続財産が不動産で、分割方法が遺言されていないとしたら、円滑に遺産分割が進まないことも大いにあり得ます。
また、「遺産分割協議書」を作成できる専門士業の先生は、行政書士・司法書士・税理士・弁護士になります。
ご自身たちで作成することも可能ではありますが、相続税の申告は、相続の開始を知った日から10か月以内になりますので、なるべく先生方にお願いしたほうが良いと思います。
お客様の状況に合わせて適材適所にてご紹介致しますので、ご安心ください。
では不動産をどのように複数の相続人で分割相続すればいいのでしょうか。

不動産相続の方法

不動産相続の方法について説明を受ける夫婦

相続した不動産を複数の相続人で分割するには、いくつかの方法があります。
まず、不動産をそのまま残す形での分け方から見ていきましょう。

【代償分割】

「代償分割」とは、相続人のうち誰かが遺産である不動産を取得し、それ以外の相続人に対して相続財産以外の資産を渡すという方法です。
例えば相続人である子のうち、長男が不動産を一人で取得するが、次男には長男の資産から法定相続分に該当する現金を渡すという形で分割します。

【共有】

「共有」は、正しくは分割ではありません。
相続した不動産を「相続人全員で共有財産として保有しましょう」ということです。大抵は、相続分に沿った割合で持分を確定します。
確定した持分で不動産登記をすることになります。
この方法には、特に将来的なリスクがあるので注意が必要です。
まず1つ目は、共有名義者全員の同意がなければ、売却などが行えないということです。
さらに2つ目は、共有名義者が死亡した場合、持分の相続が発生するので、年月が経過するほどに権利関係が複雑になってしまいます。
ここから所有者不明の不動産問題に波及していくことにもなり得ます。
活用するにも売却するにも簡単に事が進まない可能性が高くなるので、最初に具体的な条件や将来についての取り決めも細かく明確にしておく必要があります。
共有は遺産分割を先送りにしているだけという見方もあり、お孫さんたちの代までも円満に共有し続けられるとは考えにくいので、できるなら他の分割方法できちんと遺産分割をした方がいいかもしれません。

【換価分割】

換価分割は、相続不動産を残さないで遺産分割をする方法です。
「換価分割」は、不動産を売却し、その売却で取得した金銭を分割するということになります。
最もわかりやすく公平な分割方法と言えるかもしれません。
ただし、売却で得た譲渡所得には所得税が課されますので、その点がデメリットと言えるでしょう。

不動産を相続する場合は、専門家へ相談しましょう

相続不動産は専門家へ相談

相続した不動産を複数の相続人で分割する方法を紹介しました。
最初に記したように、金融資産と違いきれいに分割することが難しい上、相続には相続人それぞれの考えや主張、事情が複雑に重なり合いますので、できるだけ後々のトラブルを生まない方法を選択していただければと思います。
相続をする時、相続は終わっているけど使用方法が共有者と意見が合わない。
様々な問題があるのが相続不動産です。
そして空き家の問題は、当事者間で話し合ってもうまく答えが出ない。
そのような場合には、専門家に相談してみることが解決の第一歩だと思います。
基本的に相続には相続税の問題があるため、税理士に相談するのがよいでしょう。
そもそも相続税はいくらかかるのか、相続税・固定資産税の支払いをどのように行うか、いまからできる相続対策はあるのかが見えてきます。
遺産の分配にかかわる名義変更の問題であれば、弁護士への相談が適していると思います。
不動産登記について名義変更の手続き上の問題ならば、司法書士に相談をすると円滑に話が進みます。
相続不動産をどうするべきか考えている方は、ぜひ株式会社ファインエステートへご相談ください。
士業の先生方と連携してお客様の相続財産を有効に売却・活用するために必要な対応方法をご説明させていただきます。